ー愛が見えない街で、私は未来を探していたー


ストーリー
アイルランドの母や姉と離れ、新天地ニューヨークで暮らし始めた内気なエイリシュ。
慣れない生活にとまどいながらも、自信を身に付け、美しく洗練された女性に成長していくのだが――。
ある日、突然の悲報で故郷に戻った彼女に運命的な再会が待ち受けていた。
故郷とブルックリン、それぞれに待つ大切な人たち。
2つの運命の間で揺れながら、彼女が選んだ未来とは――?


上映情報
2016/8/6(土)~9/2(金)
2016/8/6(土)~8/19(金)
①10:20~12:15
②15:15~17:10

2016/8/20(土)~9/2(金)
①12:30~14:25


作品情報
監督:ジョン・クローリー
制作国:アイルランド/イギリス/カナダ
制作年:2015年
配給:20世紀フォックス映画

キャスト
シアーシャ・ローナン
ドーナル・グリーソン
エモリー・コーエン
ジム・ブロードベント

(C) 2015 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

コラム 『ブルックリン』

ジョー・ライト監督作『つぐない』で、13歳にして、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた、シアーシャ・ローナン。
『つぐない』から9年。美しく成長した彼女が、出演した本作は、2016年アカデミー賞作品賞、主演女優賞、脚色賞にノミネートされ、多いに注目された。
そんな作品が、満を持して8/6からシネ・ギャラリーで上映される。

アイルランドの片田舎で育った内気な少女エイリシュは、一念発起しアメリカ、ニューヨークで暮らすことになる。
新しい土地、新しい人間関係。未知の世界での生活で、エイリシュは戸惑い、悩み、ホームシックに陥りながらも、徐々に洗練された女性へと変化していく。
だが馴染んできた頃に、故郷アイルランドから悲報が届き、エイリシュはアイルランドに一旦戻ることになり……。

故郷と新天地。どちらも大事なエイリシュの前には、それぞれの生き方と、それぞれの愛。
故郷も、愛も、2つは持てない、と悩むエイリシュの決断とは――?


大学進学、就職、結婚などで、故郷を離れ、新しい場所で生活する、一歩を踏み出す勇気。
本当に大事なものが何かはっきりと自分の中で定まった時、人生は輝き始めることを、この作品は教えてくれるだろう。

原作 『ブルックリン』

 
 著者:コルム・トビーン Colm Tóibín 


 1955年、アイルランド南東部ウェックスフォード州のエニスコーシー生まれ。
ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンで歴史と英文学を学び、卒業直後、バルセロナへ渡って英語学校でしばらく教える。
その後南米へ渡り、アルゼンチンなどで暮らす。
この間、ジャーナリストとして活動し、早い時期から自分が同性愛者であることを公にしている。
80年代後半に最初の小説The Southを書き、1990年に出版する。
二作目The Heather Blazing(1992)(『ヒース燃ゆ』松籟社)はアンコール賞を受賞、小説家ヘンリー・ジェイムズの晩年を描いた第5作TheMaster(2004)は、ブッカー賞最終候補になったほか、IMPACダブリン文学賞、ロサンゼルス・タイムズ・ノベル・オブ・ザ・イヤーなどを受賞する。
『ブルックリン』は小説第6作で、2009年のコスタ小説賞を受賞するなど、大絶賛されている。



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オススメ旅立ち映画特集



“福”支配人
『天使の分け前』
(監督:ケン・ローチ/2012年イギリス=フランス=ベルギー=イタリア)

職もなく、恋人の家族からも疎まれる落ちこぼれダメ青年が人生の大逆転に挑みます。
「そのうちいいことあるから、頑張りなよ」とケン・ローチに応援されているような映画。
ジョニー・デップの『妹の恋人』(1993年)でも使われたザ・プロクレイマーズの"I'm Gonna Be (500 Miles)"が掛かるエンディングの気持ちよさと言ったら、もう!


ウンノ
『ギルバート・グレイプ』
(監督:ラッセ・ハルストレム/1993年アメリカ)

アメリカの片田舎で暮らすギルバートは、弟(知能障害あり)や母(極度の肥満症)の世話に縛られて、家を出て行くことができない。
年に1回、町を通り過ぎていくトレーラーハウスの一団を見ることだけが彼と弟の楽しみ。毎年毎年、旅人たちはやって来て、そして去って行く。
ところがある年、1台のトレーラーが故障して、自由に生きる一人の少女が町に滞在することに。彼女と出会ったギルバートは…。

埃っぽい田舎道を走る、銀色に輝くトレーラーハウス。
『魔女の宅急便』のキキが携帯ラジオでヒット曲を聴きながら飛ぶオープニングと並んで、旅立ちの気分を伝える名シーンだと思います。



『エール!』
(監督 エリック・ラティゴ 2014年フランス)

四人家族のベリエ家は、高校生のポーラ以外耳が聴こえない。聴こえるポーラを軸に、ベリエ家は社会生活を営んでいたが、ポーラには多大なる歌の才能があった。
このまま家に留まって歌手になる夢を諦めるか、それとも家族を置いて旅立ち、夢を追いかけるかで悩むポーラの苦悩がひしひしと伝わってくる。

後半にポーラが歌うミシェル・サルドゥの「青春の翼」が、ポーラの決意とリンクしていて号泣。
邦題の通り、素直に主人公ポーラにエールを送れる作品です。